現在帯状疱疹ワクチンは2種類あります。
ビケンHZV弱毒生ワクチンと
シングリックス
です。
まず帯状疱疹ですが、HZV(ヘルペスゾスターウイルス)の再活性化によって生じる病態です。
幼少期にHZVに感染すると水疱瘡(みずぼうそう)として発症し、その後治ります。しかし神経などにHZVが潜んで残ります。しかし水疱瘡になった人は抗体が高くなりますので、HZVがそのままひそんだまま数十年が過ぎます。
しかし年々抗体価が下がってくるとHZVが再活性化できるだけまで下がると帯状疱疹として発症するという機序です。
2014年以降帯状疱疹の発生患者数は右肩上がりと言われています。
その大きな理由に子供のHZVワクチンの定期接種が言われています。
HZVの定期接種がない時代は子供もよく水疱瘡にかかっていました。初感染である水疱瘡はかなりウイルス量は多く、呼気からもHZVを出しておりそのことで、すでに既感染の人は抗体が上がる(無症候性感染=無症状)という状況が繰り返され結果として抗体価が維持できていたという社会的側面がありました。
しかし定期接種のおかげで水疱瘡になる子供も減り、既感染の大人は年々抗体価がさがってきていると考えられます。
個人個人によって下がる速度は変わるものの、以後右肩上がりに帯状疱疹の罹患者数は増えております。
これを防ぐには抗体価を上げるしかありません。
そのため有効な手段はワクチン接種になります。
50歳を超えている方はワクチン接種をお勧めしております。
効果は圧倒的に シングリックス>ビケン弱毒生ワクチン です。
抑制する率、年数ともに圧倒的にシングリックスが有利です。
また免疫抑制剤やステロイド、抗がん剤使用中は生ワクチンは打てませんがシングリックスは打てます。
しかし、ネックとなるのは副作用(接種部位の痛み)と費用です。
費用は2回接種で約45000円程度と生ワクチンの約6倍近くします。
本来なら積極的にお勧めすべきところなのですが費用を見るとどうしてもこちらからお勧めするには抵抗がある値段です。
それでも帯状疱疹になるよりは価値があるものと思っております。
こちらを読んで自主的に打ちたいと思った方に関してはご相談をいただければ、検討させていただきます。
まずは患者さんが知識をもって自分で打つか打たないかの選択をできるための情報をと思いブログを書きました。