医療法人 土橋内科医院

堺市南区竹城台3-3-4 受付電話番号072-297-2266

コロナワクチンの秋接種について

コロナワクチンの秋接種について

9月20日から始まるとされるコロナワクチンもすでに接種券が届いている方が多く、問い合わせが多くあります。
まだ昨日堺市から当院に届いたFAXでは薬事承認前(8月10日)とのことでした。ぎりぎりのタイミングで調整されているようで、当院にもワクチン確保のための確認用FAXは届いていますが、しばらく確約まで時間がかかりそうです。
当初は本数にも制限がかかりそうですので、事前に予約をとるのが困難で確約数が決まり次第予約を開始したいと思います。
そのため現在は来院されても予約できませんのでご了承ください。

今回は全年齢が対象ですが、当院では12歳以上のワクチンのみ扱います。11歳未満の方は他院を御検討ください。
今回の秋接種はXBB1価ワクチンになります。
初回接種も可能なワクチンです。まだ未接種の方も接種できます。

ワクチンのメリット

XBBに対しての中和抗体やEG5(エリス)についての中和抗体が報告されています。現在XBBが7割、EG5(エリス)が2割強です。

従来のワクチンは接種により重症化率、肺炎率、後遺症率を下げます。結果死亡率も下がります。今回も同等の効果が期待されております。
後遺症はQOLを落としますし、社会的損失ですので死なないから大丈夫ということではありません。またコロナが軽くても後遺症が出る方もいますのでコロナが軽症だから大丈夫も言えません。

ワクチンのデメリット
副作用として発熱、倦怠感、疼痛などがあります。またまれに心筋炎などが報告されております。アナフィラキシーも低頻度ですがあります。
心筋炎が最も気になる副作用ですが、ワクチン接種がない人がコロナ感染した時の心筋炎のリスクとワクチンでの心筋炎のリスクを比較することも大事です。また同じ心筋炎でも重症度はコロナ感染の方が高いと報告されております。

抗体価が長持ちしません。結果接種後時間がたつにつれ効果が減弱します。感染予防効果も減弱とともになくなります。
また1年超えの方に肺炎が再増加するなどの報告があります。

若い方は春接種がありませんでしたので基本的なスタンスとしては接種を推奨していますが、今回の接種は基礎疾患がある人と高齢者は努力義務はありますが、若い人の接種には努力義務はありませんので、ご自身の判断で接種するかしないかを決めていただいてよいかと思います。
判断は科学的根拠に基づくのが良いのでメリット、デメリットを記載させていただいています。

なおアレルギーがあるからワクチン接種をしないという患者さんからの話を伺うことがあります。
確かにアナフィラキシーは怖いのですが、実際にすでに全世界で30億回以上打たれているワクチンで、アナフィラキシーの頻度は1~3/100万程度とされています。
コロナウイルス薬(パキロビッドパック、ラゲブリオ、ゾコーバ)などにもアナフィラキシーはあります。頻度はほぼ同じです。
実際にアレルギーがあるからとしてワクチンを打たなかった方も抗ウイルス薬は飲まれました。
医学的にはワクチンを打って抗ウイルス薬なしとワクチンを打たずに抗ウイルス薬内服ではワクチン打って抗ウイルス薬なしの方が成績は良いです。(最も良いのはワクチンを打って抗ウイルス薬も内服でしょうが・・・)
まだ未感染の方もこのペースで行くと、将来もずっと感染を防ぐというのは難しいのが現状です。(2022年3000万人推測、今年はそれ以上のペース。)いつか感染するとしてワクチンを打ってから感染するのか、ワクチンを打たずに感染するのかについてはしっかりと考えていただいた方が良いかと思います。また何度もかかることもあるウイルスです。

第9波と呼ばれる夏の間に感染してしまった方については接種は3か月くらい開けてよいと言われております。慌てて接種する必要はないかと思います。