医療法人 土橋内科医院

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新型コロナウイルスの増加に思う。

現在流行のメインはデルタ株です。

デルタ株は何が恐ろしいかというと感染の力です。

アメリカのCDCはデルタ株は1人で平均8~9人に感染させる力があるといっています。

この数字が一番恐ろしいです。

 

日本ではワクチンの接種はようやく50%に到達したそうです。

ここで計算してみます。

ワクチン接種済(50%)

ワクチン未接種(50%)

ワクチン接種者の感染予防84%=5/6  (1/6ではブレイクスルー感染)

ワクチンでの重症化予防90%

などが言われております。

 

ワクチン接種者が感染した場合のウイルス量は少ないという報告と変わらないという報告があります。

 

感染者がすべてワクチン接種済の人と接触したとして

一人が感染させる力は 1人で平均8~9人に感染させる力があるが1/6になったとしても 8/6~9/6  つまり1を超えます。

つまりワクチンを受けてなお感染が増え続ける。

という感染力のすごさが問題です。

加えてワクチン接種率は50%。

非接種で8~9、接種済でも1.3~1.5とすると増えるのは自明です。

ワクチンもまだまだ足りていません。

ワクチンが効かないから増えているのではありません。

感染力が強いから増えているのです。

集団免疫には90%近くはいる計算でしょうか。

ワクチン打つか感染するかという状態です。(ワクチン打っても感染しますが)

感染力が強いということは、それ以外の予防も必要です。(接触をさけるなど)

 

次に感染させる期間について考えてみましょう。

発症2日前から発症後10日間程度が感染のリスク期間とされています。

合計13日間として計算します。

 

発症当日に運よく病院に行き、当日にPCRが受けれて翌日に結果がでるとしても

結果がわかるまでの日数は

人に感染させる時期になった日から4日かかります。(-2、-1、0、1日の4日間)

熱が朝出るとは限りません。当日病院に行かず翌日に行く人、検査が翌日になる人(結果はさらに翌日と考えるとむしろ4日で診断される人はレア。5日、6日かかるケースも多くあります。

単純に試算するため平均5日間は診断前、8日間が診断後ということして計算します。

診断後に人と会うということはほとんどないと思いますが、実に5日間ほどは診断前になりますので、人との接触を避けるということを強くは意識しない生活を送ってしまいます。

 

大阪ですと現在2000人/日強の感染者がいます。

5日で10000人強、が診断前でウイルスを保有している想定される人数です。

その1万人のうち発症前(症状がない)の5000人はほぼ自由に行動します。

その人が一人で8人も9人もに感染させる力があるわけです。

発症前の5000人が一日何人と接するのか?

電車に散歩に仕事に家族。

5000人がそれぞれ、1日10人と接すると5万人と接する。20人と接すると10万人と接するのですね。

自分がコロナ陽性の人と接している可能性はそこそこ高いと思ったほうがいいですね。

1日当たりでは10万/880万(大阪の人口)でも、1週間、1か月スパンで考えると相当にリスクあります。

これに対抗するには自衛しかありません。

 

ワクチンだけで防げないのは自明です。(ワクチンには十分効果はあります。)

 

理想は人と会わない事。(自粛)

ですが実際には無理です。

でも無理で終わらせず、可能な限り出かける頻度を下げましょう。

次いで三密回避が重要です。

当院も換気に十分気を付けています。

仕事としてはかなり一人当たりの診察時間を短くするよう配慮しています。

(待ち時間短縮目的)→密接、密集も防ぐ目的を持っています。

さほど混んでないのに診察時間が短いとお思いの方もいるかもしれません。

あまりゆっくり話せないということもおありかもしれません。

ご了承ください。

 

私も数十人と毎日接している中で、心がけているのはコロナ陽性者と接触してももらわない状態を作ることです。

その最たるものができることとしての一つ。

マスクです。

マスクはしっかりと装着することが重要です。

そして触らない事。

一番いいマスクはN95ですが息苦しいですし生活で使う想定はしていません。

実際に当院でも発熱者などに接するとき以外は使用していません。

そのため専門家は不織布マスクを推奨しています。

不織布マスクは目が細かいのみならずファンデルワールス力などの電荷の作用などでウイルスを通さない効果が期待できます。

ウレタンマスクは飛沫の20%以下しか防いでいません。

自衛という意味では向きません。人にうつさないという目的でも効果が低いです。

自宅内でマスクをする人はウレタンでもよいかもしれませんが、外出時はしっかりと不織布マスクと使い分けましょう。

ウレタンマスクは楽だからではなく、楽なぶんだけ効果もないと思いましょう。

できることの一つが手洗いです。

アルコール消毒もしっかりとしましょう。

アルコール消費量と感染の頻度が反比例するとの報告を出した論文もでていました。

接触感染のリスクがどれほどかは未だわかりませんが、アルコール消毒をして感染が減らせるなら続けるべきですね。

しっかり手洗いもしくはアルコール消毒をお願いします。(診療所の入口にアルコールあります。熱を測る機械の下です。)

 

屋内でマスクを外してしゃべる、歌う、食べる、飲むなどはいつかできる日を楽しみに今は待つしかありません。

 

考え方として

感染リスクの高い行動×頻度

です。

感染リスクが低い行動でも頻度が多ければ感染リスクは増えます。

感染行動が高い行動は頻度が少なくても感染リスクは増えます。

 

今は周囲に感染者が多い=感染リスクが高い時期です。

感染リスクが高い行動は頻度が1回であっても感染リスクはそこそこ高いです。

感染リスクが低い行動であっても頻度が多ければ気づかないうちにどこかで感染してしまいます。

 

 

 

リスクを負ってワクチンを打ったんだから自由にできるのではというのは、理想的には従来株(一人当たり1.6人~2.5人にうつす、発症予防93%なら)くらいの感染リスクならそうだったんですが、デルタ株(一人当たり8~9人にうつす、発症予防84%)対策としてはまだ時期が早いようです。でもワクチンの効果はかなりありそうですので、打てる人が打ちましょう。当院もかかりつけ患者はほぼ終了しましたが、非かかりつけの患者さんに対しても診療の妨げにならないギリギリの回数のワクチン接種を継続して続けています。

若い人も、人に移さないために打つと思う必要はありません。自分のために打つで十分です。

政策上若い方のワクチンが遅くなっており、若い人の中に早くにワクチンをというニーズは強く感じます。

しかしコロナのリスクが80代以上>70代>60代>50代>40代>30代>20代>10代>10歳未満である現状からはやむを得ないのでしょうね。

9月からは当院もワクチン入荷数が8月よりは増えたので、可能な限り打っていきたいと思います。9月(正確には8月30日以降)になるとすべての年齢で予約が可能になりますので、ワクチン枠には限りがありますが精一杯頑張ります。

 

ワクチン非接種者 :死亡、重症、中等症、軽症

ワクチン接種者:中等症、軽症

の図式が出来上がっていると聞きます。

中等症は十分につらいですので、接種者も予防は続けましょう。