医療法人 土橋内科医院

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新型コロナ抗原検査のセルフチェックについて

最近は医療逼迫のためもあり、新型コロナ抗原検査キットによるセルフチェックについて耳にする事も増えました。
また今後帰省や旅行の前にセルフチェックをするという方も増えるかと思います。
 
そのためセルフチェックにおける解釈や注意点について知っておくとよいと思われることを記載します。
 
まずは発症から検査までの適正期間について。
熱がでたり、喉が痛かったり、咳がでるとどうしてもすぐに検査をしたくなります。
 
しかしそのタイミングの検査は検出率が低い時期であることに留意すべきです。
発症当日の陽性率は抗原検査の場合は5割程度です。
つまり5割は見逃すということになります。
となるとプラスには意味があるがマイナスにはあまり意味がない時期であるということになります。
早期に発見したいからすぐに検査というのはお勧めできません。
もちろんキットがたくさんあって今日も明日も検査ができるという場合はいいのですが、検査キットは一つしかない、少ししかないという場合は発症すぐの検査は不向きです。
できれば症状がでて24時間を目安に検査をするとよいかと思います。
また自覚症状なし、旅行のため、帰省のためという場合は理想はPCR検査になります。
抗原検査はウイルス量が少ないと見逃がします。
PCRする時間はない、手に入らないということも多いですので、その場合は
繰り返し行うもしくは
旅行に行く全員を検査する
ということで少しでも確率を上げましょう。
もちろんそれでも絶対ということはありません。
また検査をしてもかかるのは野球選手を見ているとよくわかります。旅行前、帰省前については参考程度と考えてよいと思います。
 
また検査にはしっかりと体外診断用と書かれているものを使用してください。
研究用というものはさほどあてになりません。
以前にも研究用陰性→来院後陽性という事例を見ています。
 
検査には限界があるということを理解し、適切なタイミングで検査をするということ、検査は解釈が大事ということです。
マイナスにも信頼できるマイナスと信頼しにくいマイナスがあるということです。
 
これは土橋内科での発熱者への検査も同様です。
発症当日の発熱の受診依頼は一定数いるのですが、受診についてはあまり慌てず翌日に診てもらおうという方が検査としては信頼度が上がります。
病院でも自宅でも検査の正確度は変わりませんが、病院の方が適切なタイミングで検査する、しっかりとした手技で検体が取れるという差はあるものと思います。しっかりとしたタイミングであるだけで同じキットを使っても感度、特異度は変わりますので、ご自宅でとることがあれば参考にしてください。