新型コロナウイルスと風邪の鑑別は困難とされています。当院は以前からお伝えしている通りPCRや抗原検査もできません。その中でうまく鑑別に使えると思われるものは採血とレントゲンかと思っています。採血では炎症マーカー（CRP）が高値になりやすい、肝障害が出やすい（AST/ALT/LDHなど）、腎障害が出ることがある、カリウムが下がりやすい、白血球が上がらないもしくは少し低下する（リンパ球が低下する）などがありますが、決定的なものがありませんので総合的に判断するしかありません。またレントゲンも同様です。レントゲンが異常が出やすい時期というのは発熱から数日たってからになると思われ、採血でも風邪と差が出るのは熱が数日たってからになると考えられます。また遅すぎると高齢者では新型コロナウイルスだった場合の重症化のリスクもあります。そのため診察で全身状態を判断の上、この人は採血する時期か、レントゲンを撮る時期か、逆に採血に意味がない時期か、レントゲンに意味がない時期か、それらを超えて保健所に緊急連絡すべきかなど判断いたします。採血結果次第、レントゲンの結果次第で保健所に連絡を取るかの判断をすることもあります。ご了承頂ければと存じます。
